「世間を甘く見る」宿命的渡世観

梅雨の季節は終わったんでしょうか?

夏になれば、プールは屋外。目黒区のプールは7月1日から始まっているので、行かねば。寿司屋のお兄さん頭のようにスッキリさせようと、床屋に向かう。

5歩進むと、拷問のような暑気でつらくなる。息があがる。

行きつけのカットハウスは、1000円。

QBハウスも1000円です。「あれは、10分前後で終了するマニュアルがあるはずです」と店主の兄さん。比べて、こちらは、30分前後。安く、しかも注文に細かく応える店というのが、ミソ。僕は、何も注文しませんが。

コンビニエンスにしてクオリティがあるから、千客万来となる。待ち時間に、兄さんの対応を聞く。どんなお客の、どんな話題にもついていける。

これには、いつも感心する。

美容院で修業したから。すごいんです、美容院の過当競争が。勢い、営業スキルはいやでも高まる。相手にスキルと感じさせるのは、スキルじゃありません。

お客同士の「床屋談義」テイストのトーク術。

「東京ファイティングキッズ」柏書房

内田樹さんと、彼の同級生平川克美さんが交換したメール書簡をまとめた本。

・過去は「まだ」去ってなく、未来は「もう」来てる。これがフィジカルに感じる時間感覚です = 内田。

・「銭の無い奴は、俺んとこに来い。俺も無いけど心配するな」ってのが起業家のマインドセットです = 平川。

話芸を感じさせない「床屋談義」スキルを聞きたいなら、この本はうってつけです。内田樹さんのは、たいがい読んだので、今度は
平川克美さんの本を読んで、目からウロコを落としたい。

長谷川健一