「月食の日のロケでした」と麿さん
麿赤兒さんに会ってきました。
アーカイブ映画(だけじゃないけど)の殿堂、渋谷のアップリンク。「追悼 映像作家・岩佐寿弥」やってます。例によって、映画に出演した人々がゲストに呼ばれてトークもする。
岩佐寿弥監督、知りません。それより、容貌魁偉な舞踏家の麿赤兒さんに会いたいから出かけました。
映画は、「京都幻想」と「奈良幻想」。
「京都」は全編にビバルディの「四季」が流れ、京都の風物詩映像。なんとなく、岩波映画のように教養ただよう。監督は、実際岩波映画の出身だった。
なんとか、「らしさ」を打破しようと、4人の女優が和服姿で登場する。もう1980年代「前衛」ですから、懐かしい。セリフが無いので、夏木マリも吉行和子もとまどい気味の演技。
東大寺で3月にあるお水取りの映像。こちらで「らしさ」を打破しようと試みた「前衛」が、大駱駝艦だったんです。
明日香村にある石舞台古墳をバックに、白塗りで踊る麿赤兒さん。原始の大気・大地が立ち上る舞踏。
「東芝EMIのレーザーディスクのために作られた映像だったんです」と、トークで語る。メジャー会社なので、「わけがわからない」舞踏シーンは、大幅にカットされた。1986年のメディア・リテラシーは暗黒だったね。
こわい容貌に似合わず、寛大さがにじみ出る話し方の麿さん。想像どおりの人柄。
映像を企画をしたのが、なかにし礼。
では、懐かしい石狩挽歌をどうぞ。