海外コミックに、研究会があった

アニメ映画「しわ」見逃しました。

海外コミックの生き字引・小野耕世さんがセリフを翻訳して、小学館集英社プロダクションが発行した本「皺」の映画化。もともとは、スペインの漫画家パコ・ロカ原作。

日本にも、外国産コミックが流通してます。自動車のシェアと同じで、海外モノはたいした比率ではないでしょう。なにしろ、メイド・イン・ジャパンの漫画の売り上げは膨大ですから。

ヨーロッパ圏では漫画のことをバンド・デシネ、略してBD(べーデー)といいます。デシネ = デッサン。絵がバンド状につながっている = 漫画。

調べていたら、BDfile(ベーデー・フィル)と、あくまでフランス語読みのサイトに行き着く。

なんだか、日本の浮世絵がフランス印象派画家に影響を与えた動きが、21世紀に再現されている感じ。それくらい彼らは日本漫画を研究してる。

それどころか、来日して活動しているBD作家もいた。クリストフ・フェレラさんも、その一人。「BD研究会」もあって、月一活動している。

ここまで深化していたんだ。一回参加してみよう。

それにしても、メイド・イン・スペインの「しわ」。スペインといえば、老後は田園に過ごして人生謳歌のイメージがあるでしょ? ぜんぜん違って、アニメで描かれているのは、日本と同じく「毎日が日曜日」の寂寥感だった。

落語のご隠居を思い出す。長屋の連中に知恵を授けたり、仲裁したり、商売のコツを教えたりする。でも、ほとんどは寂寥の日々刻々なんだろう。

大友良英