やっとわかった、横尾忠則デザイン

自転車レースのツール・ド・フランス2013年の総集編をテレビで見る。

第1回が2003年。今年100周年ということは、10回は開催されなかったことになる。フラットなコース、山岳コース、タイムトライアルで全21ステージ。

見ているほうは熱狂します。とりわけピレネー山脈とアルプス越えレースは、鼻息が荒くなる。

選手たちがペダルを踏むエネルギーだけに興奮してるんじゃない。画面が斜めで、よく見えないのに見ようとするから。映画館の最前列席、しかも一番端から見るより、さらに角度がない視点から。幅20cmくらいしかない。

どんだけ温厚な性格でも、凶暴になることウケアイ。

その後の展開を読めない性格だから、テレビの前に段ボール箱を積んでしまった。我が実家から、15個ばかし搬入。古写真アルバム、木版活字、20世紀初期のノベルティ、絵はがきなど。30年間の骨董市散歩の成果10分の1。

みんな、みっちり詰め込んであるから、お・お・重い。

横尾忠則 全装幀集 1957〜2012」パイインターナショナル刊。デザイナー御用達出版社。

「この本、持ってる」ってのが、けっこうありました。好きなんだ横尾忠則画伯。ほとんどに一口解説がついていて、どんな考えで装幀したのかわかる。

デザイナーになる前、印刷会社で働いていた。どうりで版画っぽい処理のデザインだったんだ。インク4原色YMCBの版を感じさせる。

奇しくも、ウォーホルを初めとするポップアートに近づく。

も一つの謎も解けた。彼は、絵はがきコレクターでもあった。昭和30年代まで、簡易なビジュアルメディアといえば絵はがきだった。時事・風景・偉人・風俗・名画・宣伝。テレビがビジュアル王になる前の話。

彼は、コレクションした絵はがきを適宜、自分のデザインに活用していた。これが、日本らしい視覚言語として「反逆のデザイン」になったんだね。

しかれども、

ご存知のように、1980年代に「画家宣言」をしてします。本人も言うように、デザイナー=職人から、画家=芸術家へ変身。人に見せる技から、自分が見たい技へ。

とにかく、500ページ超えます。重いです。濃いです。

彼がアトリエで聴いている、レディ・ガガ