深沢七郎教祖の答えは、真面目です

「人間滅亡的人生案内」深沢七郎著。

前に「寂しいって、痛快なんだ」と喝破した人です。人生相談を受けても、相談者の悩みがますます深まる回答をする。

71年にまとめられた本が復刊した。河出書房新社刊。

1967年から69年にかけて、雑誌「話の特集」に載った20歳前後の悩み。「これが、40年前の悩みだろうか?」というくらい、現代と共通。復刊した意味は、ここにあり。

でも、「生まれることは屁と同じ」著者ですから、彼のように回答する感性の人は、現代にいません。その意味でも復刊する意義あり。

百姓をやり、だんご屋をやる。身すぎ世すぎに、こわいものありません。ちっぽけであることを、怖れません。

本来ちっぽけなんだから、右顧左眄する悩みに、「もっとくだらなくあれ」と回答する。

そのうち、ウトウト。

「ここ、どこなんですか?」と駅で尋ねる。「トウガネ」と駅員が答える。

トウガネって、どこなんだろう? 駅前は、何も無い。タクシーも無い。こんな所に用事は無い。鉄道路線図も無い。困ったな。

駅にやって来た親父に訊く。「どこへ行きたいの?」「海のあるほう」「だったら、東京までもどらないとダメだよ」。

どうやら、内陸の地方に来てるらしい。

と、ここで夢からさめた。

枕元に、大竹守さんの表紙。筆先き荒く、勢いのある装画。人間が滅亡する断末の表情。

ゴーイングマイ・ウェイというのは、職業ではありません。生き方です」と滅亡教教祖の回答。

年々増えていく、熱中症の話題。地球断末というのが、夢判断か?

BIG JOE