建築材料のような多肉植物

これ、ピーコッキーかなぁ? それともチワワエンシスか、カンテか、サブコリンボサか、ザラゴーザか。

どれにしても、エケベリアの仲間だろう。

スペイン語ふうの名前。メキシコ原産の多肉植物。園芸高校の栽培室にあった。平べったい石のようで、最初はオブジェと見まがう。この経験がなければ、本に手が出なかった。

「小さな多肉植物たち インドアでも元気に育つ」主婦の友社刊。

サボテンはわかりますね? でも多肉植物って何? 

乾燥地帯ではあるが、熱帯から寒冷地まで自生する。表面がツルツルしているのは角皮と呼ばれ、水分の蒸発を防ぐ役割がある。体の面積が小さいのも、蒸発を抑えるため。

エケベリアは、メキシコを中心に100ほどの原種がある。小型種は3cmくらい。大型種は40cmもあるというから、こわい。

成長期は春と秋。成育が旺盛なので、挿し芽で増やすことが簡単。

他の多肉植物のページを見る。朧月、怪魔玉、静夜と和名も多いのは、日本で品種改良されているってこと?

著者の羽兼(はかね)直行さんは、サボテンと多肉植物をアートの域に高めるクリエイター。専門ショップ「サボテン相談室」オーナー。

と、ここにギャラリーのヒロミヨシイのショーウィンドーにも、サボテンが展示されていた。

広島の(くさむら)と、建築家・谷尻誠さんのコラボ作品が並ぶ。叢の小田康平さんによると、形状の違うサボテンを接いだものがあるという。

植物で造形する建築のようだ。

沖仁