シャネルは8月19日の獅子座
言わなくなりました「シャネラー」。
クルマで送り専門の男「アッシー」、ご飯をおごってもらう専門の「メッシー」同様、バブル時代の流行語だった。
ココ・シャネル。本年8月19日は、彼女130年目の誕生日。
知名度ランキングでは、香水のシャネルNo.5がダントツか。ボトルもシンプルで、今じゃ定番。スクエアなデザイン。新しもの好きのフラッパーには、未来のマシンエイジをイメージさせた。
2番目の知名度は、シャネル丈。エレガントでありながら活動的なシャネルスーツを代表するひざ下丈。つまり、足のふくらはぎが露出する。これが、どれだけ革命的だったか。現代でも、イスラム圏では御法度の肌露出。
もともとは、帽子屋から始まった。
これとて、それまではハムスターの運動場くらいあったものを、ぐっと小さく装飾も捨てたので、動きやすくなった。
女性の社会進出とか職場進出を促したファッション。彼女自身がよく働きよく遊んだから、デザインの原点は自分用だったのだろう。
「あぁ、めんどくさい」で、どんどん取っ払っていく。
今じゃ、ドレス・スーツ以外にも、香水、化粧品、バッグと来て、時計・ジュエリーのフルラインナップ。
「シャネル 人生を語る」中公文庫刊。
デザイナーで、これほど本になってる人は少ない。
女性解放した本人は、偉業の影を噛み締める。孤独で寂しい。コクトーがいた、ピカソがいた、ストラビンスキーもいた。でも、住まいのリッツホテルに帰宅したら、「この切なさは」。
ラグジュアリー・ビジネスは、光影の落差が激しい。