迷路の秘密は、ルートよりエロい

お盆休みも終わって、ささ、働きましょ。

地方に出掛けると、「なんだかなぁ」規模の動物園とか遊園地がある。とっくに廃園、ってケースもある。そこで産まれ育った人には、甘酸っぱい記憶もあるだろう。

なにしろ、ディズニーランドやハウステンボスを頂点に、アミューズメントパークは全国から集客する。未だ営業中でも、そんなところをデートに誘ったら、「この人とはゼッタイ結婚しない」と思われそうなチョワチョワ遊園地。

なにしろお金がない。職員の創意と工夫とやりくりで、ベニヤを仕入れ「迷路」を作って、ペンキを塗って一丁あがり。

「迷路の秘密図鑑」青娥(せいが)書房刊。

迷路デザイナーのエイドリアン・フィッシャー著。世界に現存する迷路解説の前に、歴史と進化を語る。

迷宮は、labyrinthラビリンス。迷路は、mazeメイズ。違い、わかる? ラビリンスは、正しい道が一つだけ。メイズは、ルートが複数ある。

真犯人を捕まえられない警察捜査が「迷宮入り」というのは、正しい使い方なんだ。

古代ギリシャ神話の時代から、迷宮は好まれた。ミノス王妃が牛と交わって産まれた怪獣ミノタウルス。王は、職人ダイダロスに命じて作らせた牢獄に閉じ込める。これがラビリンスで、銘文に「沈黙と希望のなかで」とある。

タイルでできたもの、石を並べたもの、盛土したもの、生け垣でこしらえたもの各種あり。

13世紀イギリスの芝生迷路には、笑った。思わず蚊取り線香を出す。そっくりじゃないか。

どことなく、迷路って色っぽい。2人の姿が見られるような、見られないような。「こっち、こっち」と呼ぶついでに、手を握ったりして。

読んでたら、西洋の貴族も考えることは一緒。広大な庭園に迷路を作ったんだね。

ギトリス