積み出し現場に、言葉が無かった

「風俗案内所」「お遊び情報館」など健在でした。

五反田で安心して遊べる優良店を無料!!案内。たいがい入り口はのれんがかかる。正確には、のれんとはいわないだろうが。

からしばらくは、風俗系店舗が続く。白昼から、呼び込みの兄さんも精励中。

これが、東五反田1丁目になると突然消える。掌を返したように、普通になる。さらに進めば閑静な高級住宅地、池田山へ。お嬢様は五反田駅に出る時に、どのルートを歩くのだろうか?

数年振りの「東京都古書籍協同組合・南部支部」ビル。自宅・実家そして茨城県と3カ所で保管していた古本210箱が、24日午後4時に3tトラックで到着。

9月14日に、古書籍商の面々がここで入札会を開く。30年間買いだめした我が古本が、一気に売り出される。

トラックからビルに積み出される一瞬を、どうしても見ておきたかった。後ろ髪をひかれる思いはある。もっと重いのは、述懐。正直にいえば悔恨。30年間の放蕩。

トラックに納まった段ボール箱を眺めていると、「放蕩息子の帰還」なって、どういう言葉をかければいいのかわからない。

積み出し作業を見ていると、犬を連れたご婦人が通る。犬には、よくなめられる。靴とかズボンとか。なめられっぱなし。

「犬から聞いた素敵な話」東邦出版刊。

これは、古本でなく新刊。47の実話を取材して14の小説にしたアンソロジー。犬と飼い主の号泣物語。立場変わって、犬と飼い主に出会ったこちとらにも、風景が霞む物語があるんだ。

誰そ知る。

ボビー・マクファーリン