よそ見してたら泣きをみるんだ
立ち食いソバ屋も、だいぶカジュアルになってきた。一言でいえば、キレイ。かけに、トッピングが選べるようなスタイル。テーブルの調味料も、七味以外に豊富。
そうしなきゃ、お客が来ない。
でも、違うんだよなぁ。一日10時間外回りでクタクタの営業マンの慰めの場でなきゃ。時に、壁に演歌歌手のポスターが貼ってある。
「作詞・作曲は、当社社長の○○」と書かれてる。よくある。立ち食いソバ屋チェーンの社長が、歌を作り、CDも発売する。いいよなぁ。
雰囲気で「東スポ」も、なげやりに捨てられているのがいい。ゴミ箱なんかじゃなくて。雨に打たれ、乾き、風に舞うような「東スポ」。拾って読む。
藤圭子嬢、飛び降り自殺。女は、基本ずうずうしいから自殺しません。
自身が大ヒット飛ばし、引退後は娘・宇多田ヒカルがミリオンセラー。金回りがよくなってやることは、たいがい決まってます。
ホテルはスイートルーム、飛行機はファーストクラス、付き合う相手はとっかえひっかえ。現金携帯、ギャンブル、薬物。
男じゃん。
・赤く咲くのはケシの花
ケシの花って白じゃないの? 赤いの?
・前を見るよな柄じゃない、後ろ向くよな柄じゃない
お父さんは旅回りの浪曲師、お母さんは三味線を弾く。北海道を回って、「歌は、お金をもらうため」。童謡なんか歌ったことがない少女。無頼です。
勝新太郎が、松本清張「砂の器」に女優で主演したような人生。人に言えない暗闇に、ぐっと引き戻されるような声。
夜勤明け、商談不成立、追い出し部屋勧告された時、寄った立ち食いソバ屋で聴くとしみる。