ここではないどこか、には刺激される
彼女は、去年も一昨年も伊豆七島で過ごしていた。できた友だち多数。だから、泊まるところに困らない。
「何やってたの?」
「お土産屋の手伝い」。
ソフトクリーム作りに、コツがある。外気温が高低するのに合わせて、サッとやるかササッとやるかの違い。わかります?
家族経営のお土産屋。それだけで、旅情だな。
夜は夜で、海水浴と星空観察。今見ている夜空にどんな星座があるか、スマホには無料のアプリがあるんだね。手をかざせば、微かに見える星がどの星座かわかるっていう便利なもの。
氷シャコシャコやりながら、「島にはアパートというものがない」「島にいる間の唯一の悩みは、映画、本、音楽、ダンス、美術を見られないこと」。
情報はいらないが、アートは必要。
「今、ロビンソン・クルーソー読んでるの」と、河出書房新社の文庫をバッグから取り出す。
「イケメンなんて言葉が出て来るから驚く」。新訳なのだろう。古典は、どんどん若い人に翻訳しなおしてもらいたい。衒学っぽくないからいい。
創業から知ってる。もう、今では本屋ではなく雑貨屋だ。でも少々は置いてる。
「水中を撮る!『写真の学校』」雷鳥社刊。
「SWITCH NOTE 人生が変わる88のスイッチ!」A-Works刊。
よく編集したと思った本「世界の絶景の家」エクスナレッジ刊。岬の突端、森にポツンと一軒。こういうとこ、住みたい。旅人でありながら、定住もしたい気分にピッタリ。
WWOOF Japanなる団体を「迷子だっち」が教えてくれた。
北海道から沖縄まで、400カ所で泊まりながら働く拠点。これ、真剣になります。
彼女のお土産は、島で採れる岩海苔。おいしい。
稲垣稔。