ここが秩父多摩甲斐国立公園だった

瑞穂農芸高校は、麓にある。正確には、山の斜面もキャンパスで、放牧地やラズベリー栽培地になっている。

「裏山は、お伊勢山遊歩道があります」と、小堀校長先生が言ったから回ってみる。

このあたり、東に歩けば埼玉県入間市狭山湖ユネスコ村・西武球場なんだね。こちらもハイキングコースで山を越えて行けないことはない。

地形は鉄道路線と共に覚える。西武球場は池袋から行く、という思い込みがあるから、木の案内板を見ながら「意外な場所で意外な人に会った」印象。

さて、お伊勢山遊歩道一歩き。蚊の来襲が激しい。タオルを姉さんかぶりして、ブーンと来る度に頭を振って追い払う。

木立の間から、瑞穂農芸高校のキャンパスが広がる。

麓に降りると青梅行きのバスが停まっていたので、飛び乗る。「そうだ、青梅で一泊しよう」。

駅に近づくと、映画のレトロ看板が並ぶ。赤塚不二夫ミュージアムもある。その前に、宿さがし。青梅線というくらいだから、いくらでもあると思ったら大間違い。駅前交番であたってもらったら、どこも満員。

「河部(かべ)駅まで行けばビジネスホテルがありますが、どうしますか?」。

とっぷり暮れて、チックインでもらった地図を眺める。青梅線に沿う多摩川。源流は奥多摩湖。さらに遡ると、湖に注ぐ川には、多摩川の名前がない。メインの丹波川はすでに山梨県

秩父多摩甲斐国立公園。一都二県にまたがる。

去年、小海線で国立公園の西側を歩いた。奥多摩湖にできた小河内ダムで湖底に沈んだ村落の人々。彼らが国立公園を東から西に移住した先が、清里

聞いてた話が、地図でまとまる。

明日は、多摩川を歩こう。

アブリル・ラビーン