御嶽から沢井まで、泳ぎたかった

国体が54年振りに東京で開かれるとは、知らなかったなぁ。

「第68回国民体育大会 青梅市はカヌー競技を開催します。10月4〜7日」の垂れ幕が多摩川に下がる。今、練習してるのは選手だろうか? どれくらいの距離を漕ぐんだろうか?

渓流の中央を流れる人、河原よりにステイしてる人。流れに身を任せるというより、パドルでいかようにもゴーストップができるんだね。前々からやりたかったカヌーだから、1時間は見てた。

ひっくり返る。でも、すぐ起き上がる。

中に水が入るだろう。でも沈まない。下半身に水が入らないようなユニフォームになっているのか?

御岳山に登った後、青梅線御嶽駅から沢井駅まで多摩川沿いを歩く。

「あしあと動物園」ぱる出版刊。上野動物園の園長だった小宮輝之さんが集めた、動物の足拓の本。

魚拓と同じように、墨を塗って紙にペッタン。ゾウやカバから、リスやキジまで100種類ほど。「なにするんだよぉ」と嫌がる動物をなだめすかし、足首つかまえて拓本にするシーンを想像する。

残念ながら、川沿いの道はコンクリで作られているから足跡は残らない。

競技でなく、ホビーでカヌーをやっている連中に会う。「軍畑(いくさばた)駅に駐車場があるので、普段はそこまで下ります」。陸に上がった姿をみると、彼らはバレエのチュチュのように横に広がったユニフォームを着ていた。これが、防水の役割なんだな。

川面に日射しが烈しい。誰もいなけりゃ、飛び込んでました。パンツ一丁になって泳ぎたかった。これ、相当我慢した。虫さされ薬だの、サングラスだのの前に、まず海パンを用意すべきだった。

BUMP OF CHICKEN