笑顔っていい、笑顔は大事だ

再び、都立小山台高校の運動会。

プログラムをもらって、見始めたのは半分過ぎの騎馬戦からだった。3年生男子全員出場。僕のころは、殴る蹴るあたりまえ。それがいつしか、頭に付けた風船を割るようなハンパな騎馬戦になった。

今回はリバイバルして、敵を崩す闘い。

増脚リレーってのもおもしろい。最初は、1人がケンケンして走る。リレーして、次は1人がトラック半周。繋いで、2人、3人、4人と増えていく。足首を結んでいるから、1人こければ皆こける。

東海道五十三次。障害物競走の高校生版か。道具数々つかって、リレーしていく。

バーゲンセール。1・2・3年生女子全員参加。皆鉢巻きをしてる。

トラックタイヤの左右にロープが結ばれていて、それを綱引きする。バーゲン会場で「これ、あたしのよ」と髪ふりみだす予行演習を、ティーンエイジャーのころからトレーニングする。

実学を学べる、いい高校だ。

健在なり、棒倒し。僕は高校時代に170cm越えていたから攻めるメンバーでなく、棒を支えてた。でも、プロテクターなんか一切しなかった。

競技が始まる前に、異様な一団が出現。頭と肩と背に、布団のようなものを背負っている。

「皆んな、手づくりで準備しました」。これが、棒を支える連中。攻めてくるメンバーは、防御の山を乗り越えて棒を穫りに来るから、必然的に上半身を蹴られる。

それに、棒を守る最前線の「石垣」連も、ラグビーのヘッドギアのようなものを付けてる。ケガしないように、が最優先課題。

ここでも殴る蹴るはなかったけど、それでも血が騒ぐよ。棒のとっさきに手を伸ばし、2番手3番手も加勢して徐々に倒れていく。

4チームが、まず予選。続いて3位決定戦。それから決勝戦。全4試合。もっと見たかった。

閉会式後、全員で校歌を歌う。応援歌を歌う。これ、聴きながら泣く。とても正視できなかった。

「あれは、何だったんだろう」という思い出、今こそ楽しめ。この時しか、16・17・18歳はないんだ。輝く笑顔をひさしぶりに見た。

メアリー・ブライジ