住み開きとは、うまいネーミングだ
表参道の交差点を走る国道246。散歩の場合は、表通りではなく、裏道がいい。
裏道だから、名前は不明。歩いていると、しもた屋ふうの民家があった。背の高いすすきと木戸。のぞくと、坪庭が広がる。家屋の廊下があって、靴のまま上がれるようになってる。
日本間でコーヒーを淹れてる。
「何なんでしょう?」と先客に声をかけたら、「僕も初めてきました。テイクアウトでコーヒーが飲めるらしいです」。
2011年に開業して、13年2月には閉店するはずだった。好評につき、大家さんと交渉して営業を延長しているのだという。
國友栄一さんはバリスタ。商品から入る。でも古民家活用したり、coffeeをkoffeeと表記するあたりに思いのたけを感じる。
「住み開き」筑摩書房刊。著者のアサダワタルさんはミュージシャン。夜、活動する。そのシーンに疑問を持って、音楽をもっと普段の暮らしにおけないかと模索してたどりついたのが、住み開きというコンセプト。
月の内、何日かを地域のコミュニティスペースに開放する。自分の好きなテーマで運営する人々を訪問して本にまとめた。
新しい公共、柔らかい公共、小さな公共、自己都合の公共はおもしろい。
我が世田谷区には「地域共生のいえ」という制度があるらしい。財団法人世田谷トラストまちづくりが、開くためにノウハウを教えてくれるのだ。
気持ちが動く。
ラロ「椅子の王様」。