工作人のお手本のような2人

これ、カメレオン。廃材アートは数々見てきたけど、これほど完成度があるのはめずらしい。

作品のとなりにプライスカードがあった。赤いシールで売約済みがほとんど。そうだろうな。愛嬌があるから、インテリアになる。

富田菜摘(なつみ)さんの「小さな森」展。

見たゴミを「何かに使える」とピンと来る人は10万人に1人かな? 実際拾う人は1万人に1人。それを3年間捨てられずにいる人は、1000人に1人。

僕は、ここで止まる。

パーセンテージを突破して、実際に作り始めるのは100人に1人。出来上がる人は10人に1人。売れるものを作れる人は、1人に1人。

それくらいの確率の人。

「デッザンも無しで、とにかく手を動かすんです」と、好きで好きでの所業に我ながら照れる彼女。

作品は30点くらいあった。一つ一つなめるように見る。わからない部品、接合のやり方を尋ねる。それにしても、うまい。「多摩美の油画専攻ですけど、自由にやらせてくれました」。

「ゼロからトースターを作ってみた」飛鳥新社刊。

著者のトーマス・トウェイツ兄さんはデザイナー。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生時代から、テクノロジーに惹かれてトースター・プロジェクトを1人で始めていた。

4ポンド以下で買えるパン焼き機械に、一から自作して1187.54ポンド(約15万円)出費。移動距離3060km。

鉄・銅・ニッケルをゲットするために鉱山へ。発熱体を包むマイカも鉱物だ。カバーのプラスティックは石油からできてる。なら、油田へ・・・・。

わかるかなぁ、この着想の傾向と対策。

商品から、の富田さん。商品へ、のトーマス君。一念にはユーモアがある。

リアン・ラ・ハバス