おいゼニガタの、ごちそう全部食べろ

岩礁に乗り上げて休憩中のアザラシの群れをモノクロ写真で見ると、どこにいるのかわからない。岩肌にアザラシの皮膚が溶け込んでる。

「何頭あるかな?」クイズ写真。

ゴツゴツした岩に、唯一、頭の湾曲だけがアザラシとわかる手がかり。

・かつて、北海道には1500〜4800頭いた。

・狩猟で1980年代には350頭に減って、絶滅危惧種に指定された。

・現在、個体数は増加して推定800〜600頭。ところが、サケの定置網漁被害も増大。今年は、襟裳地域で3884万円減収。環境省に「絶滅危惧種を解除するか、損害賠償してほしい」。

・犯人は、ゼニガタアザラシ。サケの頭だけ食べるのが「動かぬ証拠」なのだ。

・出産率から計算して、年40頭を駆除しても絶滅せず、と結論づけたのが去年。今年も、音波を発生させて追っ払う。ところが「なんでぇ、命に別状ねぇ」とわかるとゼニガタもこわがらなくなった。

・一方、観光関連業は「かわいいゼニガタ」が命の綱。実物見せて、加えてゼニガタ饅頭やゼニガタストラップを売ってるのだろう。

業界共存も、人間と自然の共存も複雑だ。解決に野村・三菱・日本総研の面々は、金にならないから知らんぷり。

やったりや。

アザラシの好物は、サケ以外にカレイ、イカ、タコ。生息数から割り出して、これを毎日1〜2t食べるのだという。トン数でいわれてもピンとこない。何匹?

ゼニガタアザラシに告ぐ。

頭だけじゃなくて、全部食べろよ。贅沢してんじゃねぇっての。

漁民・魚市場に告ぐ。頭が無くたってサケはサケだ。頭を落とす手間が省けていいじゃない。

加藤ミリヤ