今は昔って、昔が今でもあるんだな
三国志は、クリエイターをそそのかす。コピー系でも、ビジュアル系でも。
僕は、そもそも国取り物語というのが苦手なんだ。市場シェアの攻防とか社員管理術が、史実物語に擬して語られることに辟易する。
「あんた、いつから信長になったの?」ってな調子。読者も読者なら、作家も作家。ネタ切れになると長編古典に頼る。
半径50m行動の習慣で、壮大な流れが理解できないということでもある。登場人物が多すぎるし。
その点、今昔物語はいいよ。出て来る人間は、武士とか僧侶とか貴人とか乞食。でも、ほとんどキャラを描かないから気楽。
「新版 今昔物語」小学館刊。守谷茂泰再話とあるから、芥川龍之介と同じ試み。龍之介が超訳なら、守谷さんのは抄訳にして直訳。
もともとは1000以上の短編集。内、50篇をとりあげた。それにイラストを添えているのが、東京イラストレーターズ・ソサエティの面々。
大御所がいます。和田誠、宇野亜喜良、U.G.サトー、飯野和好、安西水丸、山口はるみ、灘本唯人、古川タク、南伸坊、ユムラタラ。
「自分は大御所だ」と思っている各位、すいません。書ききれないので、止めただけ。
年来からタッチがまったく変わらない人もいれば、若くなった人もいるし、細った人もいる。
不明ながら、大拍手したのは3人。
ヒロミチイト、高橋キンタロー、古村耀子。こちらも大の中拍手、大の小拍手イラストレーターがいたけど、悪しからず。
しこうして、誰がアート・ディレクションしたんでしょうか?