マ元帥の天皇「独占」にいらつく英国

これが女王陛下のエンブレム。

普通あるのは、せいぜい幅が5cm程度のワッペンでしょう。ピンズなら、幅1cmだし。英国大使館の正面玄関に付けられたものは1mを超える。

それに、わざわざ接近して見ることも普段ないでしょう。ライオンもユニコーンも、マヌケな顔してた。

各国の在東京大使館のなかで、だんとつ好立地にある英国大使館。半蔵門濠に面し、毎日皇居ランナーを見送ってる。1872年、徳川幕府打倒を支援した英国政府に提供された敷地。

ここから、どれほどのMost Confidentialと印字された機密電報が発信されたことか。

「英国機密ファイルの昭和天皇」新潮社刊。

アメリカ議会図書館の公文書や写真を入手する場面は、よくテレビに出てきますね? 職員が、キャビネットに案内したり、収納ボックスをカウンターに運んで来るシーン。

その時、大統領は・・・。その時、現地司令官は・・・。克明に当時のやりとりを裏付ける資料にカメラが迫る。

英国にもロンドン郊外に公文書館がある。

著者の徳本栄一郎さんはロイター通信の特派員時代に、ここに保管されている日本ファイルに興味を持った。

日英同盟締結、日露戦争での英国協力、日英同盟破棄。そして、戦後は米国主導の占領政策に、いらだつ英国の姿。

立憲君主制という共通点から、英国は皇室情報にも並々ならぬ関心を示す。ロイヤル外交は、安全保障の一部だから。

大正天皇の病状、秩父宮留学・ホームステイ先、ロンドン時代の吉田茂GHQに出入りする白洲次郎ヒロヒトの家庭教師。

情報機関というのは、相手国の公電を傍受・解読して本国に知らせる。自国に有利な情報は何回も確認させ、不利な点はより詳細を知りたがる。

敵対国が、自国と同様のことをやってると知ると、驚く。まして同盟国が自国のハラを探っていると知ると、なおさら驚く。

ナイーブ。

1年間、ロシア滞在を許されたスノーデン君は、今どうしてるんだろう?

ミッジ・ユーロ