バラほど幻想を誘う花はない
園芸高校には、いろいろな機械が設置されている。ドライフラワー乾燥機もある。これに入れれば、即座に完成するんだろう。
バラの花摘みをやって、すべて捨てるというから「もったいない」と感じた。でも、ドライフラワーにはできない。茎は残すのでね。
「花の下に、3枚の葉が付いてます。これは本来1枚の葉です」。高橋先生の説明に納得できないが、まぁいいか。3枚葉の下にあるのが、5枚葉。これも本来は1枚の葉。
「その5枚葉の上をカットしてください」。これが、衰えた花を摘む要領。花弁がしおれているものを切る。バラ園には相当のバラがあるから、たちまち量がたまる。
花の中で、妖しさナンバー1といえばバラ。
「薔薇の鉄索」国書刊行会刊。妖しい本を連発するので大好きな出版社が、村上芳正さんの画集を出した。9月29日まで弥生美術館で個展をやってた。
現在91歳。まだ、ご存命でしたか。
「三島由紀夫の最後の装幀画家」といわれた画伯。遺作「豊饒の海」を手掛けた。
「ジュニアそれいゆ」でデビューし、ミステリーや幻想文学でひっぱりだこ。奇書「家畜人ヤプー」で、名声が決定的となる。
すっかり、SMの筋の人かと勘違いしてた。
「ストーリーはエログロというか、糞尿譚でしょ。僕には、そういう趣味はないし、正直気持ち悪い」のだった。
不感症・冷感症の女と苦悶する男は、助平センスとは違って、確かに「実用的」な絵ではないのだ。
アシュケナージ 。