牛乳だけじゃなくチーズに進む

中学の授業で、「生物は卵から生まれるか、乳で育つか」と教わって、「なにあたりまえのこと言ってんだろ」と感じてた。

もっとセンシティブに感じていたであろう寄藤文平さんの本「ミルク世紀」美術出版社刊。

・爬虫類 鳥類 魚類。「ハチュー」「チョー」「ギョ」とかっこいい発音に比べて、「ホニュー」という締まりのない語感。自分が哺乳類と知って、ちょっとガッカリした。

不肖、動物という動物は、動物園でしか見ないで育つ。牧場主と親しくなったのは3年ほど前だから、見ればやたらに感激する。ミルク入門書として、おもしろかった。

牛乳が白い理由は、水に溶けない脂肪とタンパク質が浮遊し光に乱反射してできるらしい。

牛乳日本地図もためになった。

そもそも乳牛は寒さに強いから、寒冷地や高原が酪農にピッタシなのだ。北海道のシェアが半分を占める。東北もそこそこ。なじみの長野県は1.6%と意外に少ない。

農家に嫁が来ない話はよく聞くでしょ。酪農家も同じ。寝る時間以外はすべて労働なんだ。早朝と夕方の搾乳以外は、すべて牧草の世話。広大な敷地でエサづくり。

だから、NHK「プロフェッショナル」で吉田全作さんのチーズづくりを見て驚いた。酪農で得た牛乳でフレンチやイタリアンのシェフをうならせるチーズだというから、いつ寝るんだろうというがんばり。

吉田牧場  牛と大地とチーズの25年」ワニブックス刊に進まねばなるまい。

リンジー・スターリング