言葉は、意味をどんどん拡げる

三浦しをんさんの「舟を編む」読みました? 辞典の編集部が舞台。

身近な校正・校閲者と話をしてると辞典・事典のことになり、毎度とめどなく広く深くなる。言葉の魔界が「おいで、おいで」と手招きする。いい加減な所で引き返さないと、2度と戻れない。

デジタル版「大辞泉」では、10月31日まで「愛」や「失敗」など8つの言葉の語釈を公募中だという。膝をポンと打つ解釈が出てくること必須。

いわゆる正統派からはずれたものは、「新明解国語辞典」からではないか? 知ったのは赤瀬川原平さんが著いた「新解さんの謎」文春文庫刊で。一言多い語釈が、ウケにウケた。

流れは加速して、今や一般人も参加できる辞典作り。間口が、また広くなる。

「幸福を見つめるコピー」東急エージェンシー刊。コピーライター岩崎俊一さんの作品集。

もちろん、商品の広告文です。ですが、辞典編集者にコピーライターがいなかったのは何故だろう?

・お中元  もらったものは、買ったものより、ちょっとおいしい。

人名辞典に使えるものもあった。    

・大地喜和子  一度、ふられていらっしゃい。

週刊新潮」の表紙を飾った谷内六郎さんへの語釈は、

・スイカ1個を食べきれる家族がいた幸福。

表参道交差点の山陽堂は、場所柄デザイナーやコピーライター御用達の本屋。明治24年創業の老舗。カタカナ人種を壁画が迎える。

・健気  谷内六郎の絵

チック・コリア。