時代ものの、1人ミュージカル

上方落語の四天王」に続き、「上方落語四天王の継承者たち」岩波書店刊が出た。どちらも、戸田学さんの本。

笑福亭松鶴桂春団治桂文枝桂米朝が、四天王。米朝師匠だけ、高座を聞いた。3人は、故人になってからCDで聞く。

話の内容が同じでも、江戸と上方では題が違うことを知る。

落語の親戚、浪曲を聞く。NHK「東西浪曲特選」。

写真は、「天狗の女房」を演る春野恵子さん。庄屋の若旦那へ玉の輿だったはずが、天狗に誘拐され嫁になった娘の行く末は・・・。

続いて玉川奈々福さんの、「仙台の鬼夫婦」。伊達政宗の家老の娘、お貞。利口で器量よし。加えて薙刀の名人が、遊び人の直人に嫁いだ・・・。

1人時代劇、1人ミュージカルの浪曲。節と啖呵で、喜びも哀しみもグリグリ臆面もなく演じる1人オペラ。

トリは、京山幸枝若さんの「祐天吉松 喧嘩坊主」。気風で男をうる吉松、身投げをしようとする老人の佐助を助ける。事情を聞くと・・・。

聞き終わって、広沢虎造CD全集を取り出す。「喧嘩坊主」というタイトルはない。どれだろう? と、あたりをつける。

「喧嘩坊主」は、「酔いどれ坊主」と「素っ飛び駕籠」2話をまとめたものと判明。

浪曲も落語と同じ、同話異題があるんだな。

アラン・トゥサン