気分を出して京伝を勉強中

落語・講談でおなじみの吉原。

売れっ子は、「入り山形に、二つ星」と呼ばれる。のであるが、何のこっちゃかわからなかった。見ました、本物。

「へ」の形をした模様。反転したものを重ねれば、山の形になる。海苔の山形屋も同じマークだった。その下に、黒丸が2つ、点点とある。

これで、「入り山形に、二つ星」。下に、名前と値段が書かれてる。

天保14年だから江戸時代後期の、風俗情報誌「吉原細見(さいけん)」に、当店のナンバー1・2・以下こんな娘がいますと、明細をならべる。

所有者は、早稲田大学の棚橋正博さん。10月から今年いっぱいまで、「山東京伝(さんとう きょうでん)の世界」講義を聞いてます。

彼は学者だから、落語・講談のいいかげんさが許せない。同じ遊女でも「太夫は、元禄期の呼び名です」と厳密。

まぁ、まぁ。

とにかく、江戸時代の作家・コピーライターで、手拭いのデザインまでやったマルチ・クリエイターの京伝さん。

赤本・青本黄表紙本・合巻の別。八文字屋本・洒落本・滑稽本人情本と、まずは時代説明と本の種類の説明。

京伝は深川に生まれ、10代で京橋に引っ越す。そして、いそいそ吉原通い。デビュー前までが今回の講義だった。

野宮真貴