選手と観客には「互酬性」がある

日体大関係者は、2020年東京五輪に諸手を挙げて全員が賛成してると思っていたので、意外だった。

名誉教授の稲垣正浩さんの発表が日体大であった。第86回東京体育学会研究会。

たびたび、「詳しいことは、ブログに書いてますので、そちらを読んでください」と発言する。「この話は、この辺で止めないと、時間が足りません」とも。

永年スポーツ史学会の会長を務めてきたので、五輪については、言いたいことが山ほどあるんだろう。配られたレジュメは、彼が雑誌「世界」11月号に掲載した記事。

「オリンピックはマネーゲームのアリーナか」。

まずは、安倍首相の「汚染水Under Control発言」の嘘っぱちを糾弾する。アスリートたちもマネーゲームの隠れ蓑に利用され、エージェントが用意した原稿を読むばかりだった、と嘆く。

彼は、スポーツの尊厳を言いたいのだ。もちろん誰もが共有してる。一方、嘘や作為やロビー活動や駆け引きや説得がないと、目標はクリアできないのだと仕事人なら知っている。

そんなことより今回の収穫は、スポーツ社会学とかスポーツ哲学という分野があるということだった。みやび出版「スポートロジー」なる雑誌まである。

試合後の解説で、実に気の利いたことを発言するアスリートが増えてきた。実技だけじゃなく、日頃から本をよく読んでいる習慣を感じさせる。

KREVA