薬名を漢字に戻そう委員会

市川団十郎と實母散。市川左団治と梅花香。中村宗十郎と紫雪。岩井半四郎と清魂湯。中村芝翫と鳳龍丹。

「この錦絵は、何なんですか?」

「『売薬広告と名優』と題されたものです」

「どうして、歌舞伎俳優と薬が紐でつながってるんですか?」

「『役』と『薬(やく)』の洒落です」。

役者の人気にあやかって、薬の効能をPRする。実に真っすぐな絵解き。なるほどねぇ。薬事協会が入る昭和薬貿ビルであった「薬の歴史展」入り口に掲げられた幕。

三越前の中央通りと、昭和通りにはさまれた日本橋本石町日本橋室町・日本橋本町・日本橋小舟町は、江戸時代から薬種問屋や薬種商店の町だった。

江戸から昭和戦前まで、景観の変遷を見る。

ハギ、クズ、フジバカマ、キキョウ、カワラナデシコは鉢植えされていて、これ皆、生薬になるんだ。

サフランの球根をもらう。アヤメ科。成分はカロチノイド配糖体。ヨーロッパでは鎮静、通経に使用。日本では冷え性などの改善に温湯で服用。

高価な理由は、1kgのサフランをとるのに10〜17万個の花が必要だから、と追加コメント付き。

平成ボトル倶楽部のブログをプリントアウトしたものも、もらう。

透明・茶色・紺色の薬びんを土中から発掘し、研究してる人がいる。コレクションを見たいねぇ。

中央区郷土天文館発行の、立派な浮世絵図録ももらう。龍角散のど飴、2袋ももらう。

まとめて、錦絵「売薬広告と名優」が印刷された手提げ袋を渡される。

なんだか、申し訳なくなってきた。

「ところで、日本橋室町というのは、生薬を貯める室が並んでいたからでしょうか?」

「単に、京都の室町から来てるんじゃないですか」。

グラナドス