僕も「名人」の話を拝聴したい

秋になったら、夏用のスニーカーをはいてはいけません。メッシュの穴から、泥水がしみてきた。

代々木公園にて。

明治神宮の奥に広がる森の公園。映画を見る前に気分を出そうと、園内初散歩。

芝生のある中央部は、誰かが何がしか行動してます。サックスの練習、舞台のセリフ回し、花の品評、ピクニック。

周縁部は、バードサンクチュアリもあるくらいだから森。湿地帯でもある。はっきり水面がわかる所は避ける。しかれども、葉が覆ってカムフラージされている所は気付かない。

足首まで、おもいっきし突っ込んで泥だらけになる。

映画「森聞き」を見る。

「森の名人」4人へ、高校生4人がそれぞれ訪ねるドキュメンタリー。高校生じゃなくとも、名人たちのやっていることは初めて見ることだった。

焼畑、杉の種採り、茅葺き、木こり。

その作業、生活、生き方にグイグイ引き込まれ、映画を見ながら、民俗学の宮本 常一の本を無性に読みたくなってきた。彼らの家に泊まりたくなった。

皆さんは「聞き書き甲子園」って、聞いたことあります?

そもそも、映画は「聞き書き甲子園」活動を追ったものだった。毎年、森・川・海の「名人」が100人選定される。彼らに、100人の高校生がインタビューする。記録を発表する大会がある。

これ、映画終了後に登壇した峯川大くんが教えてくれたこと。

彼は、高校2年の時に参加した。現在は大学進学し、「NPO 共存の森ネットワーク」で理事もしてる。千葉県・市原市の農村情報を発信もしてる。

我が身をひるがえって、思う。

若い世代を刺激する思想や教養を蓄える仕事をやってきたのか、と。

映画に流れていた、ラヤトンフィンランドアカペラグループ