がんじがらめで、笑うしかない

ロシアの文豪たちの小説を読んだことが無い。

イメージとしては、「その後に何を書けばいいのか?」と小説家志望者の衝動を無力化した。もう、書くべきことは何も残ってない。

あとは、それぞれのお国柄に合わせてチョロチョロやってちょうだい的、完膚無き徹底ぶり。

現代小説も読んだことなかった。そもそも、情報が少ないし、話題にもしない。

「親衛隊士の日」河出書房新社刊で、初体験。

・我々は今もなお、イワン雷帝によって作られた国に住んでいるのです。

著者ウラジミール・ソローキンの言葉。暴虐非道の代名詞、イワン雷帝に擬されているのは、もちろんプーチン大統領

・現代ロシアを書くには、風刺という道具を用いるしかないのです。

未来小説の体裁で、雷帝時代に暗躍した親衛隊が復活し、特権と弾圧を繰り広げる。それが戯画化され、ユーモアあふれる。

ちょうど、プーチンさんのマッチョぶりが、お笑いであるような。本人が、真剣であるだけに。

これ、三谷幸喜監督が映画にしてくれないか。

ポップなおちゃらけが、木庭貴信さんの装丁によく出ていた。

taku takahashi