奇想で天外な「僕宝」コレクション
「ゆるキャラ」「マイブーム」「僕宝(ぼくほう)」と、数々のネーミングで、新しい「そうだよなぁカテゴリー」を世に送り出すみうらじゅん兄さん。
飲む打つ買うの三道楽を超えると、第四の道楽域を遊ぶことになる。
くだらなくて、情けなくて、すき間のホビー。ゴミになるような事柄。
曲亭馬琴、谷文晁たちが江戸時代の文政年間に「耽奇会」なる集まりをやっていた。不忍池近くの茶屋に、それぞれが自慢の品を持ち寄る。
いわれ・入手法などを開陳する。本人は真面目、聞くほうは「かもしれん」「どうだか」とゆるく対応。
時は移って昭和3年。「ということがあったらしいから、どうですか皆さん。我々もやろうじゃありませんか?」と、始まったのが「新耽奇会」。
内田魯庵、石井研堂、三村竹清ら。ふつう、聞く名前じゃない。この場は、マイナー好きの面々と覚えておいてね。無名なことに異常に反応する気質。
モノズキとも言う。好事家とも。
場がなごむのか、坪内逍遥、安田善次郎、六世尾上菊五郎、市川右太衛門らも出入りして、オレの一品を自慢した。
写真は、松島亀之助が持参したダーク式あやつり人形「鬼」。
大正から昭和初期、浅草花やしきで常打ちの小屋を持ち、名物になっていたあやつり人形。
ロバート・キャンベル先生が、早稲田大学「新耽奇会展」で講演したひとこま。
哀悼、ルー・リード