世界を股に、デジタル工作
「FABに何が可能か」フィルムアート刊。
なんだかわからないのに、手を出したがるいつもの習性で読んでみた。
サブタイトル「つくりながら生きる 21世紀の野性の思考」というのが、いい。野性なんだから「オレはオレで気ままに」ということなんだろう。
要するに、PCを工作マシンにつないで多品種少量生産する。自分だけの1点品種も作れる。窮極の家内制手工業。製品にはなるが、商品になるかどうかは、モノ次第。
そろえる機材。3Dプリンター、レーザーカッター、CNCフライス・ミリングマシン、ペーパーカッターなど。これらが用意されているのがファブラボ。
ラボは世界中にあり、あちらで開発された設計が、ネットワークでこちらで出力できる。
つきつめれば、物流・貿易というしくみが融解するモノ作り。ファスト・ファッションは、すでにこの流れ?
情報系・電気電子系・機械系・建築系・航空宇宙系のエンジニアや研究者の分野と、工業・商業デザイナーやアーティストが共存するモノ作り。
オープンソースが、地球を駆け巡る。
溶接をやってたお父さん。
「IHIの下請けで船を造ってたけど、仕事はみんな韓国にもってかれちゃった」。その韓国ですら、もはや造船は斜陽ですよと慰める。
下請けでも、これからはFABで生き延びられるのかもしれん。日本での雇用は生まれないかもしれないけど。