主の降誕を待ち望む大空間

建築の丹下健三さんは、今年が誕生100年め。生前から、いろいろな本が出ていた。

いきおい、100年だからといって、大々的に出版されたものがあるわけではない。本屋がキャンペーンをやったことを聞かない。

丹下健三作品といえば、代々木にある2つの競技場。東京五輪のためだから1964年。

目白・椿山荘の反対側にある東京カテドラル関口教会 聖マリア大聖堂も1964年だった。

屋根の構造は、競技場と瓜二つ。微妙な曲線で、大工さん泣かせ。かいあって、いつまで見ていても飽きない。午後の光を浴びて、とにかく美しい。

敷地を歩くと、「ルルドの泉」があった。

フランスのピレネー山脈にある町、ルルド聖母マリアが祈りを捧げると、霊泉がわき、それを飲むと不治の病が治ったという伝説。

911年に、ドマンジェル神父が洞窟ごとここに再現した。

聖堂内にはピエタがあって、また驚く。

バチカンにあるミケランジェロの傑作。高さ175cm、重さ2600kgの原像とまったく同じものをフィレンツェで作り、1973年に寄贈された。

おおいに見とれる。吸い込まれるようだ。

教会では、11月から馬小屋作りが始まってる。もちろん、これはクリスマスに向けてのもの。

大聖堂のパイプオルガン。基本毎月、瞑想のために演奏が行われているのだ。12月は、13日午後7時からブルーンス他。

教会建築は、高さがいのち。オルガンの残響が、人の祈りを吸い取って空に解放するだろう。