これは、若者だけの歌じゃない
今年で95歳のおばあさんが、2つ並んだ大ぶりの植木鉢に覆いかぶさっていた。動かない。
洗濯ものを取り込もうと、マンションの2階ベランダに出たお母さんが、地上の動かない背中を見下ろして動転する。すぐ、地上に降りて、おばあさんの前の家に連絡する。
何はともあれ、救急車を手配。
来ました、救急車。病院まで付き添ったのは、おばあさんの左隣のお母さん。
両隣と向い1軒の連携プレーで、無事病院に運ばれたおばあさんが、我が母親。
連絡を受けて、病院に行く。
体のどこかを打ったのか。看護婦さんいわく、MRI検査を受けている最中だった。ベッドは空。待てどくらせど、戻って来ない。
しょうがないから、周辺ミニ散歩。
あたりは、都市計画生産緑地だった。野菜が育ち、果樹が植わり、花をハウス栽培してる。
病院に舞い戻ると、ちょこなんとした顔が布団から出てる。顔を見りゃ、それでいい。かみさんは、ペットボトルにストローを挿して、水を飲ませていた。
目を閉じたままで、チューチューやってる。なんだか、スズメをみたい。小さい。
世界に一つだけの花は、こういう時の歌か。