黒い森から、黒い海に流れる
神聖ローマ帝国、ハプスブルク帝国、オーストリア・ハンガリー帝国。
世界史の授業だけで、リアル感がまったく無い地域だ。中欧や東欧。東西冷戦時「鉄のカーテン」のほぼ向こう側だから、なじみがない。
あえて言えば、セピア色・保守・農業・コウモリが飛ぶゴシック小説・新体操。
「ハプスブルク帝国の鉄道と汽船」刀水書房刊。
汽船に興味があった。内陸国なのに、汽船とは?
ドナウ川航行のことだった。今まで、北に向かうと思ってた。それは、ライン川だった。
ドナウは、ドイツに水源があって、東に流れる川。支流も含めて通過する国が17カ国。
まずドイツ・スイス・イタリア・オーストリア。
そしてポーランド・ルーマニア・ハンガリー・チェコ・ブルガリアと来るから、だんだんあやしくなる。
セルビア・スロバキア・スロベニア・モルドバに至って、あきらめた。
とにかく、ドイツ森林地帯「シュヴァルツヴァルト」に端を発する。「シュヴァルツヴァルト」は、通称「黒い森」と呼ばれる。で、河口は黒海。from黒to黒で、地名だけは位置取りがわかって安心した。
国際河川であるがゆえに、裁判権・外交・軍事・関税・利権・郵便などに各国の覇権がぶつかる。
帝国には、バルカン諸国が啓蒙すべき蒙昧な「オリエント」だったというのも史観だね。
疲れたので、ドナウ川1時間散歩をする。