可笑しいはずなのに笑えない
序
あひきするあまみやきひくそまたかへす
おきなあきひとまてよにすめる民といふたミ
2行写して、あえなく挫折。暗号じゃない。れっきとした日本語だけど、何回声を出して読んでも意味不明。
原文の木版は、ミミズが這っているよう。ひらがな変換されても、解読不可能。
これ、「画本東都遊(えほん あずまあそび)」の序文。
巻末の出版目録を読むと、まんまゾロッと「これから読みたいリスト」になるからおそろしい。
「遊びのデザイン」「洒落のデザイン」「江戸のコピーライター」「北斎漫画 全三巻」「北斎の絵手本 全五巻」。
北斎は、一枚絵専門だと思ってた。なんとなく画料が高そうな人だから。オールカラーの絵本も描いていたんだ。
画面の上に、狂歌がミミズが這っているようある。本では、欄外にひらがなで引き出されてる。ところが、これまたキレイに解読不可能。
「画本東都遊」は、江戸観光ガイドブック。
滑稽・機智・頓知の狂歌のはずだから、意味不明はそうとう悔しい。落語からの想像で、かすかにわかった吉原のページ
・北むき(向き)ハ 何(いず)れも毒と知りながら
かんにん(堪忍)ならぬ 鰒(あわび)と よし原
遊んでるつもりが、身ぐるみはがされた江戸っ子の歯ぎしりが、聞こえてくるような歌。「北」は、吉原の俗称。
写真は、平成画学生が作った「中指突き立て雷神さま」。こんな仕草で、舌打ちしながら大門を後にしたんだろう。