立ち入り許されない驚異現場
人物・風景・物写真。
いろいろ撮ってきたけど、一番枚数が多くてほとんどブログに掲載してないのが工事現場写真。
道路工事、解体現場、鉄骨風景、クレーン稼働中は、だいたい立ち止まる。同じようなものだけど、撮らずにはいられない。
巨大工作を、マジでやってると思えるからだ。模型じゃないものを、接着剤なんかじゃなく、原寸材料で組み立てるところ。
足場を積んだトラックが待機する、廃棄物も出る、夜ならサーチライトで照らす、そして現場の人のワークウェア、すべてが美しい。
「UNDER CONSTRUCTION」マガジンハウス刊。
西山芳一さんの、工事現場写真集だ。
プロフィールを読むと、前は広告写真をやってた。今は、土木写真家。
そうだ、建築写真じゃなくて、土木というところがミソなんだ。
発電所、ダム、橋、港湾設備、地下鉄。土や水、暗闇や風と闘う姿が雄々しい。
鉱物を掘り出すようなスケール感。垂直に切り立った大深度。大空にアーチがかかる。
豆粒のような人間が、あざむくようなサイズの穴を堀り、鉄板を持ち上げ、掘り進む。
どうして、こんな巨大なことができるのか?
西山さんは、過去にも写真集を出していた。「トンネル」施工技術総合研究所、「港湾遺産」日本埋立浚渫協会。
そうだ、こういう研究所とか協会とナシをつけなければ、その現場に立つことはできないのだ。
日本埋立浚渫協会のおえらい方へ、
「安全靴が必要だ」と言われれば買います。「事故があっても責任はとらない」誓約書にもサインします。
僕、だめでしょうか?