大量生産に証拠があった
皆さんは、気になった新聞記事を切り取ったことがありますか?
たいがい、ハサミで切る。水平・垂直に真っすぐに切る。下の方の記事を忠実に切ると、おおむね段々ができる。
そりゃ、その記事だけが欲しけりゃ、そのやり方がいいんだ。しかれども、僕はどうしてか、できない。紙という手触り物質が悲鳴をあげるようで。
だから、手でやる。まず、垂直に裂く。続いて、水平に裂く。水平裂きの場合は、垂直と違ってギザギザになる。裂きにくい。
理由がわかった。
「わたしのハムスターを化石で残すには?」ランダムハウス講談社刊。
イギリス科学雑誌「ニュー・サイエンティスト」に掲載された207の「なぜ?」。その内の一つが「新聞紙に裂きやすい方向があるのはどうしてですか?」。
原紙は、ロール状になってる。それは、巻き取られているから。巻き取る方向に平行して繊維が通っているのだ。それを「たて目」という。
交差するのが「よこ目」の繊維で、「たて目」ほど強くない。
同じ原理が、ハンバーグに当てはまる。大量生産されたハンバーグは、移動ベルトを通過中にタンパク繊維が進行方向に延びて、楕円形になるのだ。
手作り和紙はタテヨコ均等に裂け、手作りハンバークは正円ということになる。
手提げのビニール袋も同じ原理で、タテ方向に荷重がかかっても耐えられるように作られていた。
さて、おまたせ。ペットのハムスターを化石にしたい人は、本を買ってください。