地平線を見ていたアンダソン
2ヶ月ぶりで「音だっち」と会う。
「これ、読みました?」と言って、彼が差し出したのが文庫の「ワインズバーグ・オハイオ」。著者は、アンダソンとあった。
知らないな。
家に帰って調べたら、1920〜40年代のアメリカ人作家。現代作家より、この時代の作家のほうが詳しいつもりだった。
シャーウッド・アンダソン。
フォークナーと付き合い、ヘミングウェイやスタインベックやカーヴァーに影響を与えた人だった。アメリカは「世界最強の田舎国」だから、中西部を知らずして語れない。
「モダニズムの惑星 英米文学思想史の修辞学」岩波書店刊を読んでいた。
マーク・トウェイン、オスカー・ワイルド、DH・ロレンス、フィッツジェラルド、フォークナー、スタインベック。アンダソンは、取り上げていない。
巽孝之さんのアメリカ文学研究は、19世紀半ばから始まった。本で語る「惑星的思考」とは、相互に影響・浸透しあう領域を理解すること。
百の学問より、現物。
3月1日、駒沢公園でイベント「BOOK STREET」に出掛けたら、「ワインズバーグ・オハイオ」の古本があった。
空白の1ピースを見つけた気分になった。