海中で出す酸素の泡が美

「海藻」のDMを見た。

濃紺の海に、光を受けた海草がたゆとうてる姿の写真。ツルアラメ/撮影・塚田直寛とあった。

2月までやっていた展覧会。DMに、「海藻学から標本作りまで」というワークショップ開催の案内もある。すでに、その時は過ぎていた。

本に挟む押し花は、朝顔でやったことがある。押し葉も経験ある。だが、押し海草というのもあるんだ。それが、標本作りの第一歩。

会場には、日本海藻学の父と呼ばれた岡村金太郎が描いた図、そしてフラットになった標本が並ぶ。

昆布、ワカメ、モズクが好きだから、すべてが食用になるのだろうかと思って眺めた。

図録「海藻 海の森のふしぎSEAWEEDS」LIXIL出版刊も入手。

昆布、ワカメは褐藻という。褐色だから。テングサは紅藻。あと、緑藻。色で分類するんだ。

4億5000年前に誕生したのが緑藻で、その一部は陸上に上がってシダやコケになった。なんとなく、わかるな。

褐藻は、一部が大型化して、海中林となる。ラッコが泳ぐジャイアントケルプは、50mを超える。

図録にあった塚田直寛さんの写真。水槽で楽しむ水草アートとはスケールが違って、海の巨大さと母性がある。

海藻に迫ると、迷路のようで、水晶の羅列のようで、山脈のようで、織物のパターンのようで、血管のようなもの各種。

海中の生態系をアートディレクションしたのは、祖父江慎さん。うまい。

会場には、野田三千代さんの「海藻おしば」があった。これ、アクリル樹脂で海藻を封じ込めた作品。じつにキレイだ。

クリス・ハート