文化で社会を包む考察
ソチ五輪の後日談によれば、「外国人観客があまりに少ない」大会だったらしい。
モスクワ大会の時は、西側諸国にボイコットされた。ソ連であれロシアであれ、頑迷さはかわらない。筋金入りの「来なきゃ、来ないでもいいよ」。
メダリストをエスコートする娘たちは、ビューティフルだったけどなぁ。彼女たちを演劇・音楽・美術・文芸・映画大使にすれば、イメージがどんだけ変わることか。
長寿、エコ大使なんて手もある。マトリョーシカ、毛蟹、ウォッカ大使なんての、どうでしょう?
ロンドン五輪の時は文化プログラムが盛りだくさんで、日本からは蜷川幸雄さんも参加した。
呼んだのは、「ロンドン2012カルチュラル・オリンピアード」のディレクターだったルース・マッケンジーさん。
五輪憲章には、選手村開村中は文化イベントが義務付けられているのだった。それをはるかに上回る規模で指揮をとった。8割りが、参加無料とうれしい。
交通の要所ピカデリーサーカスで、本当のサーカスまでやっちゃった。
「新しい広場をつくる」岩波書店刊。
副題にある「市民芸術概論綱要」とは、かつて宮沢賢治が「農民芸術概論綱要」を出版したことにちなむ。
国内外で、当地の行政と渡り合い、コミュニティの維持再生活動を続けている平田オリザさんの本。
彼が定義した文化資本とは。
1 客体化された文化資本 書籍とか絵画とかのカタチになった物
2 制度化された文化資本 学歴とか資格とかの制度が保証するもの
3 身体化された文化資本 慣習とかセンスとか言葉使いと呼ぶもの
とりわけ、3は重要。
本では内田樹さんを引用する。「文化資本を持たない者が、目指そうとした時点で『すでに負けている』特徴がある」。一刀両断。
強固より、緩やかなコミュニティのほうが住みやすいに決まってる。