路上のそば屋で桜花揺れる
28日昼の気温は、何度あったか。
寒いと思ってコーデュロイのジャケットを着て外出したら、10分もしないで暑さに辟易した。
所用をすませ、真っすぐ帰宅するのもシャクだから新宿御苑に寄る。花見で、200円の入場料を求める列が長い長い。行列が嫌いなので、すぐあきらめる。
柵外からでも、桜満開が見えたし。
御苑でやってはいけないこと。スポーツ・ペット・凧上げ・楽器演奏・酒類持ち込み。なんのための公園なのか、よくわからない。
「ギョエン」と呼ぶくらいだから、ありがたい由緒があるのか。
案内板いわく。
徳川家康江戸入府の際に、この場所は甲州街道・青梅街道と鎌倉街道が交差したところ。軍事の要衝だったので、信頼できる譜代の内藤清成に与えた。
当時の敷地は、北は大久保、南は千駄ヶ谷、西は代々木、東は四谷まであった。ということは、現状は5分の1程度に削られたか。
柵外を歩く。
生活用品・衣類一式そろったねぐらが、等間隔で並ぶ。主は、陽気に誘われたか不在。枝にかかるマスクが揺れる。花粉症対策かな。
日射しが強い。休憩をかねてそば屋に寄る。桜そばを所望。香りの、なんと麗しいこと。初体験。開いた花びらが揺れている。
「5月になれば、青じそそばになります」。あぁ、それも食べたい。
大正3年、ちょうど100年前の散歩エッセイ「日和下駄」も載ってる。35歳で、ここまで退行できるのか。