条件は、スペイン曲使用のみ
この人、ナルシソ・メディーナさん。コンテンポラリー・ダンサーだ。
2月ごろ、ローザンヌで開催されたバレエコンクールで、日本人が1・2・6位になったでしょ? あれは、クラシック・ダンス部門だったのだろうか?
今年は、慶長遣欧(けいちょうけんおう)使節団から400年で、それを記念して「ソロダンス」のコンクールが行われた。
歴史の教科書にあったでしょ? 仙台藩主・伊達政宗が支倉常長をヨーロッパに派遣した。
旅程は、メキシコ経由。スペインで国王フェリペ3世に会い、ローマで教皇パウルス5世と会う。
スペインといえば、フラメンコのはずが、それは出て来ない。コンテンポラリー・ダンスだけ。
予選審査を通った11人の日本人が、スペイン楽曲に合わせて踊る。それが、唯一の条件なのである。
舞台から5mの距離で見たから、筋肉の跳躍がクローズアップされ、激しくなっていく息が聴こえる。
3人の入賞者を審査する時間に、ナルシソ・メディーナさんが舞台に立った。体でなければできないものって、あるんだな。体育系の文化系。
最優秀に選ばれたのは、イリテ・アンナさん。紹介で、「体が喜ぶダンスをしたい」とアナウンスした人。
特典は、スペインに滞在するアーティスト・レジデンスができる。そりゃ、うれしかろ。どんだけ励みになるか。
帰りの散歩で、一番町にあるローマ法王庁大使館を見つけた。
戦前からある個人邸のような風格だ。