根性女と呼ばれてる監督

18日も、国際文化会館に行ってた。

河瀬直美さんと松岡正剛さんの対談「奈良から世界へ」があった。

対談前に、映画「光男の栗」が上映される。

奈良・橿原(かしわら)でバスを降りた桃井かおり。一面に広がる農地を眺めて、「いったい、息子の光男はどこにいるんだろう」と呆然とする。

失踪した息子探しの物語。

伝手がみつかりそうなのに、「いいんです」と拒否する母親。これは、時代を覆う「わかりやすさ・全方位の繋がりやすさ」を拒否する物語なんだ。

見えないものを感じとる能力を問う映画。

「世界には、有名な映画祭があります」。カンヌで受賞し、審査員を務めた河瀬さん。奈良の魅力を発信しようと3年前に「なら国際映画祭」を創設した。

彼女は第1回作品「光男の栗」以来、プロデュースに奔走していた。「美しき日本・奈良」も配信して、奈良を語るNARAtiveを唱える。

壊れやすく繊細な人と思っていた。「行政との交渉では、ハードルが高いことやってます。おかげで、どんどん体育系になりました」。

深くうなずく松岡正剛さん。

「近いものに近づこうとしなければ、遠いものは更に語れないです」。

ルネッサンスは、イタリア人がローマを「発見・再発見」した運動だったと言う。それから現在までのプロセスが、日本には決定的に無い。

奈良県のマスコット「せんとくん」は、僕でも知ってる。正剛さんは、全2冊の「NARASIA」を編集してた。平城遷都1300年の記念出版だ。

彼はいつも、前を歩いてる。

Deep Forest - Sweet Lullaby