笑ってください、マイ妄想
突然ですが、「ほっケース」ご存知でしょうか?
3年ほど前だったか、日曜夕方のニュースで見た。この時間帯は暮らしネタが多い。「花が見頃」とか「クマの赤ちゃん誕生」とか。
個展紹介でとりあげたのが「ほっケース」。
ケースです。鉛筆ケース。ケースだが、柄が魚のほっけ。パターン柄や花柄じゃなくて、ほっけ。内側も、ほっけを開きにした柄があるのがポイント。
虚を衝かれて、後にニヤリとするでしょ?
「西荻に妄想工作がやって来る 妄!妄!妄!」展、最終日に滑り込み。
僕の後ろから入場した男が「また、来ましたぁ」と挨拶し、迎えた個展主も「連日のご来場、ありがとうございます」と、まんざらでもない様子。
乙幡(おつはた)啓子さんという作者だった。
「ほっケース」を気に入ったのは、僕だけじゃない。皆んな、好きなんだ。
ガチャガチャの商品にもなってる。現在は、海産物全般に広がる。「わー、かわいい」と女の子が見せてくれたのは、ホタテ貝のケースだった。
「乙幡脳大博覧会」という本も売っていた。これを読めば、彼女の脳内のしくみが見られるぞ。
妄想工作が、どうしてこんなに「なじむ」のか。
身近である、内職的である、脱力する、「作ってしまう自分が哀しくて楽しい」のが伝わってくる。
写真は、「餃子リバーシ」という商品。
餃子の中に磁石が内臓されているので、鉄板にくっつく。つまり、これはオセロゲームなんだ。裏目と焦げ目で、白と黒。
相手がいれば、やってみたかったよ。