笑えてくる難しさを笑う
新緑の間を吹いてくる快い風、薫風(くんぷう)。
風薫(かお)る5月が到来したので、都立林試の森公園を訪問。かつては、林野庁林業試験場だった。
森林浴ができる。充分オゾンが降り注いで、ひんやりする。日向に出れば、暖かい。
一巡りすると、巨倒木が1本。
2011年の台風で300本の樹木が被害を受け、樹高34m・幹回り3mを超えるユーカリも倒れた。老木だったか。時に地響きがしたという。
その後、「どのように自然に戻るか観察してみよう」と、放置された。元林業試験場は、着眼点が違う。
海を漂流した木は拾う。大気にさらされる木も捨てがたい。
「考えすぎた人 お笑い哲学者列伝」新潮社刊を取り出す。
著者の清水義範さんは、なんでもおちょくる。プロフィールの「パスティーシュ文学を確立した」とある。何? 故意に文体や雰囲気を真似する文学のことだった。
パロディとは違うのか?
・古い昔のことは、わからない。なら、本人を呼び出して、直接訊けばよい。今週もやってきました「本人さん、出てこいや!」ショー。
巻き毛のかつら、ハーフ丈ズボンに長靴下でジャン・ジャック・ルソー登場。
・いったい何角関係なのよ、それ。みだらで、不道徳で。新しい男女の形だなんて、ワシぜってー認めないもんね。
道徳保全裁判所で、検察官に詰め寄られるジャン・ポール・サルトル。
卑屈さで笑いをとる、哲学者の土屋 賢二さんの本は大好きだ。清水義範さんの本もお約束ドタバタで、なじむ。
帰りがけ、池のカメは甲羅干しの日光浴中だった。