デモなしでも革命はできる
ヘミングウェイ著「老人と海」ではない、古市憲寿著「老人の海」。
「だから日本はズレている」新潮新書刊の最終章は、そんな風景を書いたSF調の文章だった。
2040年の日本は、1975年生まれの65歳であふれてる。もちろん、その上の世代も押すな押すなで生存してる。
ニューヨークを描いたSFは、山のようにある。古市著を読むと、東京SFがもっと議論百出したらおもしろかろと思った。
「絶望の国の幸福な若者たち」でデビューしたので、マスコミ業界では、若者代表の位置づけ。
「おじさん」に向けたズレの数々とは、
・ジョブスのようなリーダーシップ、クール・ジャパン、スマート家電、期待過剰のソーシャル、入社式
「若者」をたしなめるズレの数々とは、
これらから演繹されて、最終章「このままでは『2040年の日本』はこうなる」に至る。
おわかりのように、ズレてる「おじさん」とは大企業の「おじさん」のこと。「若者」とは、同じく大企業に入りたい人々。
合わせて、社会から降りて「ダウンシフターズ(減速生活者)」も紹介している。僕の時代は、ドロップアウトと言った。
今、ここにある幸せを大切にする自己充足感を「コンサマトリー」と社会学でいうらしい。20代の生活満足度は、78.4%だった。
サービス過剰が人格を破壊する日本。さっさと見切りをつけて、アジアで起業する若者たちがいた。たのもしい。