苦さも甘さもある男前

樹木希林さんは、センスがあって男前。

若い女の子に「樹木希林みたい」と褒めたら、「うれしくない」と却下された。

どうして、彼女の頑丈なデリケートさがわからないんだろう。

「自分の身を始末する感覚で毎日を過ごしている」と語る。使いきって人生を終わりたいとも言う。伊勢神宮の社と森を訪ねて「神宮希林 わたしの神様」が、今上映中だ。

「役にたたない日々」朝日文庫刊の佐野洋子さんも、男前だった。

彼女のベストセラー絵本「100万回生きたねこ」。あの猫の目を見ると、ほんとに少年のような人だったんだと思う。人生をさがして探して、輪廻転生譚を描いた。

「長生きって、無駄だね」「性格って、病気だね」「人間は、生まれ育った原点から抜け出せない。だから民主主義は嫌いだ」。

乳がんが見つかった最晩年6年間の記録。延命手術を断って、過ごす。食う、おしっこする、風呂に入る。韓流ドラマを見る。

たまに「男のチンチンなんて、男の自由にしてやれよ」などとつぶやく。

僕も、昨日今日サッカーでつぶやきながら観戦。

欧州CL決勝。ハンサム・山の手・エリートチームのレアル・マドリード。対して、じゃがいも・下町・叩き上げチームのアトレチコ・マドリード

1点先行してシメオネ監督の掌中に勝利が納まった。

と思った瞬間に土壇場で1−1。延長で1−4の大どんでん返し。金満集団に、かなわなかった。く〜っ、苦い。

も一つ、女子のアジア杯で念願の初優勝。おめでとぅ。

簡単じゃなかった。オーストラリア、バイソンのようないかり肩の地響き攻撃に、なでしこは体を張って防ぐ。

体格で劣る彼女ら、倒れてもなお足を上げる。なにがなんでも、ちょっとやそっとじゃ引き下がらない心意気。

男前だ。

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