我、土・民俗・郷土玩具を愛す

文芸系の出版社は、個人全集を出す。

一方、カジュアルなものも出す。誕生から晩年までの写真と、短いコメントと、作品一覧と、年譜を一冊にまとめた入門書。

「新潮日本文学アルバム 会津八一(やいち)」新潮社刊。

松岡正剛さんの講演で、「日本人が奈良を発見した」のは会津八一の功績が大きいとあったから、どんな人かと。

20代に、正岡子規尾崎紅葉坪内逍遥ラフカディオ・ハーン柳田国男に出会う。

はるかに遠く感じる歴史上の人物と交誼があった、その人が75歳・昭和31年まで生きていた。ごく平均な寿命で、明治と昭和をブリッジする驚き。

短歌を詠んだが、「歌人」と呼ばれたくない。学があったが、「学者」ではない。書をよくしたが、「書家」とは無縁。

銀座鳩居堂日本橋壺中居、新宿中村屋で書画展開催。わかってる人好みの画廊。

写真では、濱谷浩のポートレイトがいい。好んで書いた「獨往」という言葉どおりの気骨あふれる写真。

実際、彼は写真にも興味があった。仏像・仏教建築の「室生寺大観」は、写真家・小川晴暘との共同作業で完成させる。

さて、「奈良を発見した」といわれる理由は何だろう? まずは「自註鹿鳴集」で試してみるか。

格調高い蒼古な文語体だとさ。どこまでついていけるか?

Zsófia Boros: Die Dokumentation zu "En otra parte" - YouTube