3位を決定しようが、しまいが
10日、準決勝アルゼンチン・オランダ戦。
誰でも得点できるオランダ有利と予想していたが、コスタリカ戦に続きPK戦。2回、ラッキーは続かなかった。
今回ほどPK戦の多い大会は、過去には無かったのではないか?
ボールをセットし、後ろに下がり、集中するキッカーの顔は、誰も悲しそうに見える。入って当たり前の状況で、入らないかもしれない恐怖。運命を肩に乗せる殉教者。
すでに、4週間で6戦目だ。両チームとも、疲労困憊だろう。監督は、選手起用を何手先まで読むのだろうか?
さて、9日の件。
スコラリ監督が「ピッチで何が起きたのか、わからない」と、絞り出すように語る。
人事を尽くして、天命を待つ。しかれども、展開は本人の経験上・想像上ありえないことが起きた。7失点。
前半6分間の、4失点がブラジルのすべてだった。
もともと守備型の監督だが、レギュラー選手2人を欠いたところに、勝利は必達。あせりの戦術だったのだろう。
2点目までは、誰もが「ブラジル、どう巻き返すか?」と余裕だった。かすかなほころびが、決定的な敗北プロセスの始りと感じたのは、3点目から。
こんなことが、ブラジルでも起きるのだろうか? サッカーのデリケートさが、怖くなってくる。
昼過ぎ、ブラジル大使館に寄ってみた。
すでに早朝訪問者が、チョークでメッセージを残してた。僕は、とても励ましメッセージを贈る気分になれない。弔問。
6分間に、何が起きたのか?
選手だけじゃない。監督、トレーナー、家族、サポーター、スタジアム運営者。そして、国民がこぞって「あの時、私は」と、永遠に語りだす。
繰り返し繰り返し、映画になりテレビ番組になり本になる。9日は、歴史の起点。
3位決定戦なんて、どうでもいい。