親分、そちらも暑い?

8月中旬がお盆だと思っていたら、東京は7月中旬だという。

親父の墓参りに高輪に向かう。もうさ、連日「熱中症」のニュース。とにかく暑いぜ。駅前の花屋に入る。

「このバラください」

「これはバラじゃありません。トルコキキョウですよ」。

癖で、墓石を手でなでる。やけどするほど熱い。たっぷり水をかけて、雑巾でふきとる。「あぁ、いい水浴びでサッパリした」と親父はつぶやく。

久しぶりに円生師匠の「双蝶々(ふたつ ちょうちょう)」を聞いたので、噺の主人公「鬼あざみ清吉」の墓も訪ねた。こちらは雑司ヶ谷霊園にある。

「鬼あざみ清吉」は盗賊。文化二年 (1805) 年に小塚原刑場で打ち首獄門。時に31歳。

参詣客が絶えず、墓石の先端が削り取られて丸くなってる。「鼠小僧と同じだ」。

鼠小僧次郎吉は、天保三年(1832年)に市中引き回しの上で小塚原で処刑された。享年36。こちらの墓は、両国・回向院にある。

盗賊の墓石のかけらを持っていると、賭け事に勝つ・運がつくという都市伝説は江戸時代からのものなのか?

清吉の辞世句

武蔵野に はびこる程の鬼薊(おにあざみ)
今日の暑さに 枝葉しほるる

鬼薊は、こんな花。今まで、花名を知らずに写真を撮ってた。烈日に咲くゴージャスな藤色。

トゲ状の花が、ヒリヒリした気分をあらわすのか。そういえば、「アザミ嬢のララバイ」という歌があったな。