こわくなかった勘三郎

歌舞伎「髪結新三(かみゆいしんざ)」を映画で観た。

先だって亡くなった十八代中村勘三郎のお父さん、十七代勘三郎の映画。30年以上は前のものだろう。

忘れたころに東劇で開催されるシネマ歌舞伎。名優たちの映画版。どれにしようか迷った末に「髪結新三」に決めた。

正しくは、「梅雨小袖昔八丈(つゆこそで むかしはちじょう)」。又は「髪結新三 」とも言う。

円生師匠の落語CD2枚セットは、さんざ聞いた。こわい。

まくらで、歌舞伎の正式な演題や、勘三郎の当たり役であることも触れていた。

ところが、勘三郎は人の良さがにじみ出てるでしょ。こわくないんだ。それより円生の、人の悪さに気付くべきか。

ストーリーをわかっていて舞台を見ると、損した気分になるね。興奮もしない。

その先に演技の巧拙を楽しむのはわかるが、それほど舞台を見るわけじゃないし。

これからは、知らないネタのシネマ歌舞伎にしよう。

帰り道、歌舞伎座の前を通る。

看板を見た。玉三郎海老蔵で「天守物語」をやってる。7時からで、時間もよし。「一幕見」を見ようと窓口へ進む。

甘かった。すべて売り切れ。立ち見席も一枚も残ってない。

販売開始時間は5時55分。確実に坐れる席を確保しようとすると2時間前から並ぶのだ。

それでも1800円は安い。今まで「一幕見」は同一料金と勘違いしてた。上演時間や出演者で違うと、係員から説明を受ける。

Carl Nielsen*Symfoni 4